9/11 Sat 2021
災害時に使えるテクニックやアイデア料理など、クイズゲームを通して大切な家族を守るための自衛術を楽しく学びました。
本日の講師
辻 直美(国際災害レスキューナース):一般社団法人育母塾 代表理事
国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。実家が全壊したのを機に災害医療に目覚め、JMTDR(国際緊急援助隊医療チーム)にて救命救急災害レスキューナースとして活動。
現在はフリーランスのナースとして国内での講演と防災教育をメインに行い、要請があれば被災地で活動を行っています。
著書に『レスキューナースが教える プチプラ防災』『レスキューナースが教える 新型コロナ×防災マニュアル』(ともに扶桑社刊)があります。
今日学ぶこと
「72時間」は命のデッドラインといわれ、72時間の対策が必要と言われていますが、インフラは72時間で戻るとは限りません。復興までは長い道のりです。自助と共助で生き延びましょう。
必要なのは、「知識」「物」「経験」を備えることです。
前半は、災害の様子やクイズから防災について学びました。
防災情報
発災後72時間は人命救助が優先されます。そのため被災者支援までは期待できません。インフラは戻らなくても自分で生き抜いていくことが大事です。そのために備えましょう。
【「地震10秒診断」サイトのご紹介】
30年以内に震度6強の地震が発生する確率やライフライン復旧までにかかる日数をみて驚きます。
【「東京備蓄ナビ」サイトのご紹介】
家族人数や年齢などに合わせて最低限必要な備蓄量を表示。水1日3リットル目安で表示されますが、1日3リットルで生活するのは本当に大変です。自分に必要な備蓄量を見極めましょう。
講師 辻さんの水の備蓄量:216リットル
家中のいろいろな場所に、いろいろなサイズのペットボトルの水を確保。1カ月で全ての水を使い切るため、ローリングストックしながら備蓄。日常的に利用するものは多めに買い置きし、常に使いながら備蓄することで、賞味期限切れを防ぎます。
お風呂に水を溜めると、水質が悪化して使えなくなることもありますので、水はウォーターバッグなどで保管しましょう。リュックにポリ袋を2枚重ねて使うと、ウォーターバッグの代替品として利用できます。
防災品として必要なもの
「投薬」「衛生」「電源」「食事」などありますが、「排泄」については、忘れがちです。
災害時に、お風呂に貯めた水はトイレには流せません。
・配管が割れていれば、途中から汚水が染み出てきます。
・水圧が少ないので汚物が途中で止まり、汚物や汚水が溜まったところからメタンガスが発生し爆発した事例があります。
トイレは災害トイレを利用しましょう。
【災害トイレ】
2重にしたポリ袋の中に古新聞やペットシーツを入れて使います。
使用後は外側の袋を残して取り外し、袋の口を縛って捨てます。
被災時の情報収集
【災害時の情報源】
気象庁「防災情報」、国土交通省「防災情報」、自衛隊、地元の自治体、消防、医療、警察などが出している情報など。
ツイッター、防災アプリ、テレビよりもラジオの方が生活に密着した情報が入りやすい。
講師 辻さんの利用している情報
信頼できるアカウントをフォローしておきましょう。
電話よりもSNSや災害伝言ダイヤルの方がつながりやすい。 災害時には無料Wifi 00000JAPANが立ち上がります。平時に確認しておきましょう。
地震について
地震対策
講師 辻さんの地震対策
・耐震板をあらゆる家具の下に差し込む
・耐震マットをテレビやPC、花瓶などの下へ敷く
・小物はBOXに入れてBOXの下に滑り止めシートを貼る
・家具の上部と天井の間を段ボールや新聞紙で埋める
防災グッズは気軽に使えるもので
日ごろから災害を意識していろいろ試してみる
避難所の食事例
例)ある災害で、4人家族が1日で配られた食べもの
朝:おにぎり1個※4人で分ける
昼:菓子パン1個※4人で分ける
夜:お弁当1個※4人で分ける
朝昼晩全て1人1個ではなく、4人で1個を分けたそうです。
これが3日間続きました。でも貰えただけラッキーでした。
ごはんと茹でたジャガイモ1個とお汁で、ふりかけは持参したもの。毎回この食事だったそうで、皆さんは2回目くらいから「食べたくない」とおっしゃっていたそうです。
講師 辻さんの被災時の食事
災害を想定して準備をしていれば、ライフラインが切断されてもきちんとした食事はとれます。
本当に使える家にある防災グッズ
- BEST1ペット用トイレシート
-
災害用トイレ・安楽枕・洗髪時のタオルがわり など
※ライフラインが途切れたときにお風呂のお水でトイレを流さないで!パイプが破損しているかもしれません。 - BEST2ペットボトル
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シャワー・ランタン・皿・カップ
- BEST3ゴミ袋(45リットル)
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貯水タンク・雨合羽・災害用トイレ
ちなみに、ライフラインが途切れたときは、排水管も破損している可能性があります。キッチンや洗面所からも水を流してはいけません。全てペット用シートに吸収させてください。
その他、新聞紙は暖を取ることに使えたり、災害用の履物にも使えます。
【防災足袋のつくり方】
https://www.youtube.com/watch?v=rpZSe9ZvhSc
新聞紙3枚で片足分、足首まで覆うように作るのがポイント。
「災害は怖いけど防災はオモロイ」
他にも身の回りのもので、いろいろ試してみましょう!
テクニックより大事なこと
コミュニケーション
ご近所やマンション内で挨拶をすることで、周りの人に存在を知ってもらいましょう。自分の存在が知られていなければ災害時に助けに来てもらえないかもしれません。
今後も辻さんからのメッセージを「防災コラム」としてお届けします。
国際災害レスキューナーズが教える災害を生きぬくヒント
他にも身の回りのもので、いろいろ試してみましょう!
【講師 辻さんのモットー】