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諏訪晴美の楽しむベランダ・ガーデニング

ローズマリーを育てて秋にぴったりの美味しい⾷卓を楽しみましょう!

はじめに

気持ちの良い季節になってくると、お料理に⼒を⼊れたい⽅も多いのではないでしょうか。ローズマリーが育ったら枝ごとお鍋やフライパンにポンと⼊れるだけです!お⼝に⾝体に美味しいハーブ料理を!

「若返りのハーブ」と呼ばれるローズマリーとは?
【レシピ動画付き】鉄分摂取にも!⾷卓が映えるアクアパッツァ
痩せる?便秘にも?ハーブティーの紹介 マルベリー

「若返りのハーブ」と呼ばれるローズマリーを育ててみましょう!

もちろんスーパーマーケットで購⼊するのも良いのですが、ローズマリーを育てるとこんなに良いことがあります!

・いつでも使うことができます。その⽇に作るメニューを冷蔵庫を眺めながら決めても間に合います。
・常緑のため、1年中収穫をすることができます。
・ローズマリーは抗酸化作⽤が最も強いハーブと⾔われていることが「若返りのハーブ」と呼ばれる理由です。⾃然から取れるものの多くは継続して利⽤することが重要です。そうなるとベランダから⼿軽に取れると良いですよね!⾎液循環の促進をはじめ、若々しくいられる元気をサポートしてくれるようなハーブです。

『ここからは私個⼈の体験談です。私も最初はスーパーマーケットでローズマリーを購⼊していました。広告代理店に勤務をしていた当時は仕事が忙しく睡眠不⾜や疲れが⽇常的にあり、疲れて帰ってきてなかなか⾷欲が湧かなかったこともありました。夜10時までに帰宅できた⽇は⾃炊をすると決め料理にローズマリーを使い始めました。すると、その⾹りに胃腸が動かされるように不思議と⾷欲が湧き、美味しくご飯を⾷べられて元気がみなぎるのを感じるようになりました。これは⼿軽に家で摘めるようになりたいと思い苗⽊を購⼊。とても⾹りと味を気に⼊り週に3⽇は料理に使う⽇が半年ほど続きました。すると35.7程であった体温が36.5ぐらいまで上がり、冬寝るときの湯たんぽとサヨナラし、裸⾜で寝られるようになりました。⾝体全体の調⼦が良くなり疲れにくくなり、次第にハーブを勉強したいと思うようになり今に⾄ったわけです!』

ローズマリー

ローズマリーチキンのオーブン焼き

サーモンの⾹草焼き(ローズマリーとタイム)

ハーブティー (ローズマリー1本、みかんの⽪細切り数本、⽣姜のスライス1枚)

ローズマリーとオリーブを練り込んだパン

ローズマリーとカモミール(ドライ)を練り込んだパン

シソ科 常緑低⽊
作⽤:抗酸化、消化機能活性化、⾎⾏促進
お料理にお茶に、バスタイムに!使い⽅の幅が広いハーブです。

定植時期:真夏と真冬以外
⼟:ハーブ⽤の⼟(⽔はけの良い⼟)
⽔やり:⼟の表⾯が乾いたら、プランターの下から⽔が溢れるまでたっぷり与える。
注意点:蒸れに弱いので、株元のあたりの葉が混み合ってきたら、剪定(収穫)をして株元に常に⾵が抜けることを⼼がけてください。これができていると、害⾍や病害などの被害にあいにくくなります。

品種:⽴性、矮性など多くの品種がありますが、葉の形で選ぶのが良いでしょう。
細葉のものに⽐べて葉が⾁厚で表⾯に光沢がある品種の⽅が、⾹りが強いですが苦味やしぶみが強いです。したがって⾁厚の葉は煮込み料理や炒め物などに使うとすぐに苦くなってしまいます。いろいろな⽤途に使いやすい細葉の品種がお勧めです。例えばミス・ジョサップなど。

管理の仕⽅:こまめに剪定(収穫)をしてあげましょう。お料理に使いきれない時は乾燥させて保存しましょう。ローズマリーの枝1本とみかんの⽪に熱湯を注いだハーブティーは⼼⾝を温めてくれます。またネットなどに⼊れバスタブに浮かべるのもお勧めです。

⾷卓が映えるアクアパッツァ

鉄分摂取にもお勧め!

アクアパッツァは⿂の⽔煮です。漁師が海⽔で⿂を煮込んだことに由来されるそうです。あまり型にとらわれず季節ごとのお好きな⿂や具材を使って作りましょう。
また、鉄分摂取にお勧めの料理でもあります。今回は良質なタンパク質をもち脂肪分も少ない⾙類。⼗⼆指腸で鉄を溶けやすい形に変え吸収を良くしてくれるビタミンCを含むトマト。鉄分と葉酸を含むルッコラ。葉酸は妊娠時などの巨⾚芽球性貧⾎には葉酸とビタミンB12が必要です。また⿂は鯛の美味しい季節なので今回使⽤しておりますが、⻘⿂に変えることで更に鉄分を吸収することができます。

アクアパッツァの作り⽅

材料(4人分程度)

⿂ 1匹(写真は鯛ですが、その季節に美味しいお好きなお⿂でお作りください)
アサリ 1パック

ドライトマト 4つ
ミニトマト 4つ
ルッコラ 20枚ぐらい
タマネギ 中1/2個
マッシュルーム 4個
にんにく 1⽚

ブラックオリーブ 4個
タイム 3本
ディル 2本
ローズマリー 1枝
ローレル 1枚
塩 ⽬安は⿂の重さの1%分(お好みで調整してください)
ブラックペッパー 少々
オリーブオイル ⼤さじ1杯
ケイパー 8粒程度
⽔ ⿂が浸る程度

お好みで⽩ワイン 30cc
アルコールが苦⼿な⽅は量を控えめにするか⽔を代⽤。

作り⽅

1)下準備

アサリの砂抜きをしておきます。
⿂の両⾯に塩を振ります。

2)野菜のカット

にんにくをスライス
⽟ねぎをスライス
マッシュルームは1/2カット
ミニトマトはヘタを取る
ルッコラはヘタを取り1/2ぐらいの⻑さにカット
ドライトマトは幅5mmぐらいにカット

3)調理

フライパンにオリーブオイル、にんにくを⼊れます。
⾹りが出たら⿂も⼊れます。

4)具材を⼊れる

⿂の両⾯に焼き⾊がついたら⽟ねぎとアサリを⼊れ、ワインをまわしかけます。

次に下記の順に具材を⼊れます。
ドライトマト、マッシュルーム、ルッコラ、ミニトマト、ブラックオリーブ残りの野菜を⼊れます。

5)煮る

⿂の⾝が2/3以上隠れるように⽔を⼊れ、ローズマリー、タイム、ローレル、ケイパーを⼊れます。
フライパンに蓋をして10分〜15分程煮込みます。
最後に必要であれば塩加減を調整する。

6)盛り付け

フレッシュのタイムがあれば枝ごと、もしくは葉だけを削いで振りかけても良い。
ディルを散らして、粗挽き胡椒をかけて完成です。

タイム

シソ科
作⽤:抗菌、痰の排出を促す

強い抗菌⼒と防腐作⽤が知られています。作り置き料理にローズマリーと使うことで、抗酸化作⽤と抗菌作⽤が合わさり美味しいまま保存をするのにお勧めです。

ローレル(ローリエ)

クスノキ科
作⽤:腸内のガスを排出する、抗菌、消化機能活性化

煮込み料理に⾹り、コク、深みをつけます。カレーに⼊れる⽅も多いと思いますが、洋⾵の煮込み料理にはほとんどと⾔って良いほど合います。写真はフレッシュの葉ですが、ドライのものはスーパーマーケットで簡単に⼿に⼊ることができます。
また、ローレルは樹⾼数メートルから10m以上にもなる⽊ですが、⽣⻑も遅いためプランターで⼩さな苗⽊からの時期から収穫をすることもできます。これ以上⼤きくしたくないと思ったら、⽊の先端を切って(芯⽌め)⾼さを調節しましょう。フレッシュのローレルはフローラルな⾹りが本当に癖になりますが、煮込みすぎると苦味が出ますので、料理が完成したらすぐに取り出してください。

ディル

セリ科  1年草
作⽤:神経を穏やかにする、消化機能活性化

葉は春から収穫できますが、夏になると花も収穫することができます。花はディルピクルスに使います。ディルピクルスとは、キュウリをディルやローリエと⼀緒に酢漬けにしたものです。
「⿂のハーブ」として知られています。サーモンなどの⿂介類のカルパッチョなどに散らして使うと独特の⾵味がたまりません!

ケイパー

フウチョウボク科
作⽤:解熱、消化機能活性化

南ヨーロッパではお馴染みのスパイスで、花の蕾を利⽤します。スモークサーモンに散らしてあるのをよく⾒かけると思いますが、スーパーマーケットなどでは酢漬けになったものが瓶詰めで売られています。グリーンオリーブの酢漬けに似たような⾵味があり、薬味のように⼿軽に使え、料理の味に深みを⾜します。

ついつい⾷べ過ぎてしまう季節 ⾎糖値が気になる⽅にお勧めのマルベリー
和⾷にも合うブレンドで毎⽇の⾷事に!

マルベリー(桑)

クワ科
作⽤:α-グルコシダーゼ阻害による⾎糖調整
適応:糖尿病・肥満などの⽣活習慣病予防

ハーブティーとして⾷前〜⾷事中に飲むことで、⾷後の⾎糖の上昇を抑えます。α-グルコシダーゼとは⼆糖類分解酵素(消化酵素)であり、マルベリーに含まれるデオキシノジリマイシンはその酵素の働きを阻害します。⾝体に余分な糖質は⼩腸で吸収を抑えられ⼤腸に運ばれ、乳酸、酢酸などの有機酸を作るため腸内環境を改善して整腸作⽤ももたらします。⻑い便秘に悩んだ⼈が改善したという話を聞くこともあります。

お勧めのブレンド

材料

マルベリーとほうじ茶を1:1でブレンドし、熱湯を注ぎます。
夏は冷たく冷やしても美味しいです。
ほうじ茶をブレンドすることで独特の⾵味が消え、和⾷にも合います。

飲み⽅

⾷前〜⾷事中に飲んでください。
*マルベリー(桑茶)は、ハーブショップやスーパーマーケットでも⾒かけるお茶ですが、個⼈的にはローストタイプが飲みやすいのでお勧めです。

終わりに

「腸活」という⾔葉を最近よく⽿にしますが、腸には免疫細胞の7割が存在しているそうです。だから腸内環境を整えておくことは、⼤切ですね。でも神経質になり過ぎず美味しい料理を楽しむことも健康でいる秘訣だとも思います。美味しい料理を楽しみながら少しでも健康を維持することをハーブがお⼿伝いできるかもしれないと思って活動をしております。成分の効能は⼈によって差もありますが、ハーブが料理を美味しくしてくれることは、間違いないかと!
ハーブから出る「美味しそうな⾹り」そのものが、胃腸を刺激し美味しく⾷事が取れること。皆様にも感じていただければ嬉しいです。

諏訪 晴美(すわ はるみ)

ハーバルライフデザイナー。NPO.日本メディカルハーブ協会 企画広報委員。高校の家庭科や、専門学校のガーデニング科の講師。また自身の運営するハーブ教室「ハーブと私」でハーブ料理やメディカルハーブについて講座を開催している。独協医科大学でプラントセラピーの研究論文。他雑誌などでハーブ料理レシピを掲載。

・著書:『もっと暮らしに 毎日のハーブ 使いこなしレッスン』 (メイツ出版)
・著書:『四季の花レッスン 小さな彩りを楽しむ』 (メイツ出版)
・過去の主な出演番組
NHK あさイチ「あさイチガーデン」フラワーアレンジメント講師/テレビ東京「畑のうた」家庭菜園講師など

※現在オンライン教室も各種開催を始めております。
https://www.yukiyanagi.com/

  • 本ページ内に掲載の情報は2020年8⽉時点のものです。