気持ちのいい暮らしのつくりかた
ショウガ、ニンニク、ミョウガ、大葉などなど、お料理に彩りと独特の風味をもたらしてくれる名脇役・薬味。
使うとしても少量のことが多く、残って使い道に困ってしまうのが難点ですよね。
そこで、残った薬味の美味しい保存テクニックをご紹介します。
料理の名脇役だけじゃない! 薬味の効用
冷奴やそうめん、焼きナス、お味噌汁や炒めものなど、さまざまな料理に欠かせないのが、薬味。お料理の見た目を美しく仕上げ、少量でも味を引き立ててくれるだけでなく、殺菌効果や免疫力を高める働きもあると言われています。食欲増進や消化促進効果も期待できるので、暑くて疲れやすい今の時期はとくに積極的に食事に取り入れたいですね。
ただ、薬味は買ってきても一度の料理では使い切れず、残ってしまうこともしばしば。冷蔵庫の隅っこに入れたまま忘れてしまい、気づくとカビが...なんてこともありがちです(泣)。そこで、残った薬味を簡単に、美味しく保存する方法をご紹介します。
ショウガ、ニンニクは調味料にして保存
疲労回復や血行促進、免疫力アップなどの効用をもつ、スタミナ食材の代表格・ニンニク。使い切れずに残った場合はみじん切りにして小瓶に入れ、全体が漬かるくらいのサラダ油を注ぎ、ガーリックオイルにして保存するのがおすすめです。炒め物をするたびにニンニクをみじん切りにする必要がなくてラクですし、油に風味がしっかり移るので、オイル自体も美味しくなります。イタリアンはもちろん、炒め物全般に使え、冷蔵庫で1カ月くらい保存できます。
いっぽう消化促進、食欲増進効果などの働きのあるショウガは、残った部分をすりおろし、酢としょうゆ、みりんを加えて保存します。分量の目安はショウガ1〜2かけにつき、酢、しょうゆ、みりん、それぞれ大さじ1です。冷奴や海藻類にかけても美味しいですし、ショウガ焼きのタレとして使っても。こちらも冷蔵保存で1カ月くらいを目安に使い切りましょう。
大葉はごま油漬けにして、ご飯のお供に!
防腐殺菌効果、抗酸化作用などがあり、ビタミン類やミネラル、鉄分を多く含む大葉は、ごま油で漬けて風味をキープしながら保存するのがおすすめ。保存容器に大葉とすりごまを交互に重ね、全体が軽く漬かるよう、しょうゆ&ごま油を入れれば完成です。
冷蔵庫で2週間くらいはもちますが、早めに食べたほうが新鮮で美味しくいただけます。我が家では大葉を料理に使う時はここぞとばかりに多めに買い、余ったものも含めてすべてを漬けています。これが本当に美味しくて、白米にぴったり。海苔のように大葉でご飯を巻いて食べると、大葉の風味が口いっぱいに広がり、いつもアッという間に売り切れてしまいます。刻んで冷奴にのせても美味しいですよ。
ミョウガは甘酢で漬けると長期保存が可能
ミョウガは体の熱を取り除いてくれる作用があり、夏バテ予防にはピッタリの食材。使い残したものは新鮮なうちに甘酢漬けにして保存しましょう。甘酢漬けの分量は、ミョウガ5本につき、酢100ml、砂糖大さじ3、塩小さじ1/4が目安です。これらを小鍋で煮立て、縦半分に切って保存容器に入れたミョウガが漬かるよう、熱々のまま注げば出来上がりです。
冷ましてから冷蔵保存すると1〜2カ月もつ長期保存食になります。このまま食べてもさっぱり爽やかな酸味が美味しく、スライスして酢の物に加えたり、魚のつけ合わせや手巻き寿司などに使ったりするのもおすすめ。ミョウガの風味が移った甘酢は、ご飯と混ぜて酢飯にしても美味しいです。
無駄なく食べ切るって、気持ちがいいですよね。栄養豊富な薬味を毎日の食事に余すことなく取り入れて、この夏も元気に乗り切りましょう。
撮影・文/石野祐子(Forest inc.)
フリーランスエディター・ライター。家事セラピストユニット「いえはな」主宰。海外ウエディング誌、女性情報誌、ファッション誌、インテリア誌などの編集を経てフリーに。料理やインテリア、育児、健康など、女性の暮らしにまつわるジャンルにて執筆。また、文筆家&生活哲学家・辰巳渚主宰の『家事塾』にて学び、1級家事セラピストの資格を取得。2016年より自宅教室「いえはな」を主宰し、すっきり暮らす片づけの考え方や、日々の家事をラクに気持ちよく回すための秘訣を伝えている。