気持ちのいい暮らしのつくりかた
今年も残すところあとわずかとなりました。いよいよ大掃除の時期ですね。
大掃除とともに、年末年始の休み中にぜひやっておきたいのが、多すぎるモノの見直しです。
今の自分に必要なモノを見極めて、部屋も気分もスッキリ! 清々しい気持ちで新年を迎えましょう。
使っていないモノを溜め込んでいませんか?
モノを「捨てる」という行為、なんだか後ろめたくて気が進みませんよね。古くて動かなくなった、取っ手が壊れたなど、物理的に使えなくなってしまったモノでさえ捨てるのに罪悪感を覚えるのに、使おうと思えばまだ使えるモノを捨てるなんて無理!!! こんな感情から、たくさんのモノを溜め込んでしまっている人は多いと思います。もったいないし、いつか使うかも知れないし、高かったし...と、言い訳のラベルを貼って見て見ぬふりをしているモノたち、身の回りにありませんか? 使ってもいないのにー。
使っていないモノを多く抱えている暮らしをイメージすると、どこか不健康に感じると思います。食べて活動して老廃物を出していく人間のカラダと同様、暮らしもモノを買って使い、不要になったら捨てなくては、健康を維持することはできません。スッキリ気持ちよく暮らすためには、家のなかのモノの流れをよくする必要があるのです。
気持ちよく快適に暮らすために、捨てる!
適正な量のモノを持ち、それらすべてを日々しっかりと使い、使い切ったら捨てて、また新しく買う。この一連の流れをスムーズにするためにも、「捨てる」という行為はとても大切です。すべてゴミ箱へ!と言っているわけではありません。知人に譲ったり、フリマアプリで出品したりするのも、もちろんOK。「捨てる」というよりも、暮らしから「追い出す」というイメージですね。健康を維持する、あるいは健康になるために、不要なモノを追い出す。そう考えると、捨てることへの後ろめたさが少しだけ消えませんか?
これは今の暮らしに必要かな?と、日々「捨てる」を意識し、実践することで、暮らしは確実に快適になります。そうは言っても何をどのタイミングに捨てたらいいのか分からない...という場合は、次の3つのことを念頭に置いておくと捨てやすくなりますよ。
①「使えるけれど使わないモノ」を追い出す
なんとなく買い足しているうちに増えてしまったお皿やマグカップ、全部使っていますか? 景品や粗品でもらった文具やタオル、家のどこかで眠ったままになっていませんか? 使えるから「とりあえず取っておく」では、死蔵品が増えるだけ。「いつか使うかも」はNGです! 今、実際に使っているモノの量が、ちょうどいいモノの量。それ以外のモノは、じつはなくても困らないモノなんです。
また、ライフステージの変化とともに必要なモノも好みも変わるものです。新婚時に揃えたディナー皿、もう使っていないのに食器棚に並んでいませんか? 独身時代に気に入っていたコート、今も着ていますか? すでに使わなくなっているモノたちを追い出すことも、とても大事。この場合はそのモノから自分が「卒業する」イメージで手放すと、気持ちよくサヨナラできるのではないでしょうか。
②「買う」ことと対で考える
買い物は楽しいですよね。買うことで元気が出たり、お気に入りを持つことで幸せを感じたり。だからモノが増えるからという理由で買い物を我慢する必要はないと思います。その代わり、新しいモノを迎え入れたら何かを手放す、ということを意識したいですね。新しい服を買ったら、そのぶん収納スペースは必要になるわけですから、最近あまり身に着けていない衣類を手放す、といった具合です。これを習慣にしてしまえば、モノの量が増えることはありません。
③「使い切る」タイミングにルールを作る
食材や調味料、歯磨き粉など、目に見えて減るモノは「使い切った!」と認識しやすいのですが、歯ブラシやスポンジ、服や下着、お箸などは使い切ったかどうかがよく分かりませんよね。タオルもそうです。繊維が擦り切れるまでタオルを使い倒す人は少ないと思いますが、ではどのタイミングで新しいモノと交換するのか? これは人によって、各家庭によってさまざまだと思います。決められた新旧交代のタイミングがないモノは、肌触りが悪くなってきたら交換、毎年お箸はお正月に新調などと、自分なりに納得いくルールを作りましょう。マイルールに従うことで、気持ちよくラクにモノとお別れできるはずです。古くなった服や下着などは、ウエスにして掃除に使ってから捨てると、最後まで使い切った満足感も得られますよ。
モノに感謝して気持ちよくお別れし、また新しいモノを喜んで迎え入れる。こんなモノとの付き合い方ができる暮らしが理想ですね。
撮影・文/石野祐子(Forest inc.)
フリーランスエディター・ライター。家事セラピストユニット「いえはな」主宰。海外ウエディング誌、女性情報誌、ファッション誌、インテリア誌などの編集を経てフリーに。料理やインテリア、育児、健康など、女性の暮らしにまつわるジャンルにて執筆。また、文筆家&生活哲学家・辰巳渚主宰の『家事塾』にて学び、1級家事セラピストの資格を取得。2016年より自宅教室「いえはな」を主宰し、すっきり暮らす片づけの考え方や、日々の家事をラクに気持ちよく回すための秘訣を伝えている。