気持ちのいい暮らしのつくりかた
「飲む点滴」「飲む美容液」とも呼ばれるほど滋養たっぷりの甘酒。
最近はブームのおかげもあって、スーパーでもさまざまな種類の甘酒が手に入るようになりました。
この甘酒、じつは砂糖代わりの調味料としても使えます。簡単レシピをご紹介しましょう。
煮物にも炒め物にも。砂糖の代わりに使って
以前のコラムでもお伝えしましたが、私は甘酒を手作りしています。かれこれ8年間、冷蔵庫に欠かしたことがないので、ほぼ毎日飲んだり食べたりしていることになります。私が作るのは写真のようなドロッとした甘酒で(作り方は以前のコラムでご紹介しています)、飲む時は水や豆乳で割ってから、料理にはこのまま使います。最近はこのような濃縮タイプの甘酒もスーパーで売られていますよね。調味料として使う場合はこちらを購入するのがいいと思います。
甘酒は肉じゃがなどの煮物をはじめ、卵焼き、きんぴらごぼうなどの炒め物にも加えて大丈夫です。やさしい甘さなので、分量の目安は砂糖の2倍くらい。甘みだけでなく「うまみ」も加わり、まろやかな味に仕上がります。体を冷やしてしまう砂糖とは反対に温める作用があるので、エアコンで知らず知らずのうちに冷えがちなこの時期は、スープに入れたり、お味噌汁の仕上げに加えたりするのがおすすめです。
保存袋で揉むだけ! 栄養豊富な即席漬け
脳の活動エネルギー源となるブドウ糖をはじめ、アミノ酸、ビタミンも豊富な甘酒には、疲労回復や美容効果があります。食物繊維、オリゴ糖も含まれるので、毎日少しずつ摂取することで腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
野菜が豊富な今の時期は、甘酒を野菜と一緒に食べるのがおすすめです。
★きゅうりの即席漬け
【材料】
きゅうり1本、甘酒小さじ1、塩麹小さじ1(または塩小さじ1/2)
【作り方】
①保存袋に適当な大きさに切ったきゅうりを入れる。
②甘酒と塩麹を混ぜた漬け床を加えて軽く揉む。
★セロリの味噌漬け
【材料】
セロリ1本、甘酒大さじ1、味噌大さじ1/2
【作り方】
①保存袋に適当な大きさに切ったセロリを入れる。
②甘酒と味噌を混ぜた漬け床を加えて軽く揉む。
どちらも半日以上冷蔵庫で寝かせると、味がなじんで美味しくなります。いろんな野菜で試してみてください。
素材の味を引き立て、まろやかな味わいに
こちらも、保存袋でモミモミするだけの簡単レシピ。すぐに食べても、しばらくおいて食べても美味しい甘酒保存食です。砂糖を甘酒に置き換えることで栄養が添加されるだけでなく、味に甘みやうまみ、深みが生まれ、より美味しくなります。
★キャベツと素干し海老のナムル
【材料】
キャベツ3枚くらい、素干し海老大さじ1、甘酒小さじ2、塩麹小さじ1/2(または塩小さじ1/4)、ごま油小さじ1/2
【作り方】
①保存袋に食べやすい大きさにちぎったキャベツと素干し海老を入れる。
②すべての調味料を加えて軽く揉む。
★キャロットラペ
【材料】
ニンジン1/3本、クルミ適量、レーズン適量、甘酒大さじ1、塩麹大さじ2/3(または塩大さじ1/3)、オリーブオイル大さじ1/2、酢大さじ1/2
①保存袋に千切りにしたニンジン、砕いたクルミ、レーズンを入れる。
②すべての調味料を加えて軽く揉む。
ひと味違う豆腐とチーズのうまみを堪能して
豆腐とチーズを甘酒入りの漬け床で丸1日以上寝かせれば、お酒が進む極上のおつまみになりますよ。
★豆腐漬け
【材料】
木綿豆腐1丁、甘酒大さじ3、味噌大さじ1 1/2
【作り方】
①豆腐はキッチンペーパーで包んで2時間ほど重石をし、水分を抜く。
②甘酒と味噌を混ぜた漬け床を塗り、ラップをして冷蔵庫で寝かせる。
★チーズ2種漬け
【材料】
モッツァレラチーズ100g、甘酒大さじ2、塩麹大さじ1(または塩大さじ1/2)
クリームチーズ100g、甘酒大さじ2、しょうゆ麹大さじ1(またはしょうゆ大さじ1/2)
【作り方】
モッツァレラチーズに甘酒と塩麹を混ぜた漬け床を、クリームチーズに甘酒としょうゆ麹を混ぜた漬け床をそれぞれ塗り、保存容器に入れて(ラップでもOK)冷蔵庫で寝かせる。
ご紹介したレシピはどれも揉むだけ塗るだけの簡単なもの。後はうまみが自然と増すのを待つだけです。ぜひ作ってみてください。
撮影・文/石野祐子(Forest inc.)
フリーランスエディター・ライター。家事セラピストユニット「いえはな」主宰。海外ウエディング誌、女性情報誌、ファッション誌、インテリア誌などの編集を経てフリーに。料理やインテリア、育児、健康など、女性の暮らしにまつわるジャンルにて執筆。また、文筆家&生活哲学家・辰巳渚主宰の『家事塾』にて学び、1級家事セラピストの資格を取得。2016年より自宅教室「いえはな」を主宰し、すっきり暮らす片づけの考え方や、日々の家事をラクに気持ちよく回すための秘訣を伝えている。