気持ちのいい暮らしのつくりかた
店先でみずみずしい梅を見かける季節になりました。
梅干や梅酒などの保存食を作る「梅しごと」ができるのは、旬の梅が手に入る今の時期だけ。
難しそうに思える梅しごとですが、作業自体はとっても簡単。今年こそ、トライしてみませんか?
子どもと一緒に作ろう!梅シロップ&梅酒
まずは梅シロップor梅酒作りがおすすめです。本当に簡単なので、我が家では材料は私が用意して、仕込みは子どもたちにお任せ。あとは梅が熟成していくのを、ちょっぴりお世話しながら待つだけです。
★梅シロップ
【材料】
青梅1kg、氷砂糖1kg
【作り方】
①青梅を3時間ほど水に漬けてアク抜きし、よく洗って水気をしっかり拭き取る。
②竹串でヘタを取り、殺菌した保存容器に梅と氷砂糖を交互に丁寧に入れる。
③冷暗所に保管し、氷砂糖が溶けるまでは毎日数回、シロップが梅にかかるように容器を静かに振る。
④10~15日ほどで氷砂糖が溶けたら、完成。
★梅酒
【材料】
青梅1kg、氷砂糖500g、ホワイトリカー1.8ℓ
【作り方】
①②梅シロップと同じ。
③ホワイトリカーを②に静かに注ぐ。
④冷暗所に保管し、氷砂糖が溶けるまでは週に数回、糖分が均一になるように容器を静かに振る。
⑤半年~1年ほど待てば、完成。
梅干しも簡単!初心者さんは少量でトライ
難しそうで手を出せなかった梅干し作りでしたが、思い切ってやってみたら拍子抜けするほどの簡単さ。少量の梅をジッパーつき保存袋で漬け込んだのですが、美味しく仕上がりましたよ。
【材料】
完熟した梅(一般的には南高梅)500g
塩90g(梅の重量の18%)
焼酎(消毒用)少量
赤紫蘇1束
赤紫蘇用の塩 大さじ2
【作り方】
①梅をよく洗って水気をしっかり拭き取り、ヘタを取る。
②梅を焼酎にくぐらせてから保存袋に入れ、塩を加えて混ぜ合わせる(写真上)。
③毎日1回袋をゆすり、梅酢(透明な液体)が出るのを1週間ほど待つ。
④洗った赤紫蘇に塩大さじ1を振ってよく揉み、アクを出す。出てきたアクを捨て、もう一度塩大さじ1を振って揉み、かたく絞る。
⑤絞った赤紫蘇に保存袋の梅酢をかけてほぐし、赤紫蘇ごと梅酢を袋に戻す(写真下)。
⑥冷暗所に保管し、ときどき袋をゆすって馴染ませながら、梅雨が明けるのを待つ。
梅干しを作るとできる、美味しい副産物
梅雨が明けたら、いよいよ天日干しです!梅と赤紫蘇をザルなどにのせ、風通しのいい場所でときどき表裏を返しながら3日間干します。赤くなった梅酢も瓶などに移してラップをし、軽く天日にさらしましょう。梅と赤紫蘇が乾燥したら、完成。保存はそのままでも赤梅酢に戻してもOKです。
さらに、干した赤紫蘇をフードプロセッサーにかけると、紫蘇ふりかけ、いわゆる「ゆかり」ができあがります。私は赤紫蘇の半分をゆかりに、残り半分は赤梅酢に戻して紫蘇漬けにし、おにぎりなどに使っています。赤梅酢も保存して野菜の浅漬けに利用したり、オイルと混ぜてドレッシングにしたり。梅干し作りの魅力は副産物の豊かさにもあると思います。しかも、どれも年じゅう食べられる保存食なのが有難いですね。
梅酒も梅干しもお店でいつでも手に入るものですが、やっぱり自分で仕込んだものは愛おしくて美味しいです。もちろん家族も喜ぶはずですよ。
撮影・文/石野祐子(Forest inc.)
フリーランスエディター・ライター。家事セラピストユニット「いえはな」主宰。海外ウエディング誌、女性情報誌、ファッション誌、インテリア誌などの編集を経てフリーに。料理やインテリア、育児、健康など、女性の暮らしにまつわるジャンルにて執筆。また、文筆家&生活哲学家・辰巳渚主宰の『家事塾』にて学び、1級家事セラピストの資格を取得。2016年より自宅教室「いえはな」を主宰し、すっきり暮らす片づけの考え方や、日々の家事をラクに気持ちよく回すための秘訣を伝えている。