Brillia くらしのコラム

気持ちのいい暮らしのつくりかた

家事に正解はない! 我が家流を大切に

今の自分の暮らし、家事のまわし方に満足していますか?
雑誌やSNSを見て「あぁウチとは全然違う...」なんて落ち込んだりしていませんか?
家事のやり方は人それぞれ。マニュアルも正解もありません。そもそも人と比べる必要もないんです!

これが正しい!という家事はない

私が主宰する暮らしの講座で、家事や片づけについて「自分のやり方に自信がない」という参加者さんの言葉をよく耳にします。「掃除の仕方はこれで合ってる?」「洗濯物の干し方は正しい?」「片づけ方ってこれでいいの?」などなど。
今の日本は親や姑から家事を教わるという経験がないまま家事を担っている人がほとんどです。もちろん私もそうなので、自信をもてない気持ちはよく分かります。ただ、家庭を取り巻く環境は昔とは大きく違ってきており、それに伴って家事のやり方自体も変化しています。教わったから大丈夫というものでもないんですよね。
それに生活スタイルも個人の嗜好も多様化し、当然ながら家族構成や年齢、住む場所なども人それぞれ。こんな状況下で家事や片づけのマニュアルはそもそも存在しようがありませんし、これが正解!なんてものもありません。まずは「正しい方法があるはず」という思い込みをきっぱり捨てましょう。

テレビや雑誌、SNSの情報に惑わされない

マニュアルも正解もないなんて困ってしまいますよね。「みんなはどうしているんだろう?」という思いから、さまざまな生活情報を流すテレビや、素敵な暮らしを提案する本や雑誌、家事の様子が投稿されたSNSなどを見る人は多いと思います。もちろん参考にするのはとてもいいことですが、忘れてはいけないのは、雑誌に出てくるモノが少なくすっきり片づいた家は、その人が心地よく暮らせる家だということ。SNSに投稿されている美しく整った収納は、その人が使いやすい収納だということ。みんなが真似すべきお手本ではないのです。
ましてやその人が100点で、同じようにできていない自分は70点...なんて感じる必要もありません。人は人、自分は自分、暮らしは人それぞれです。巷にあふれるさまざまな情報を参考にしたり取り入れたりしながら、その時その時の自分に合った、ラクにまわせる家事を見出すことが大切です。

「もっとラクにできないかな?」を意識して

自分流の家事を「見出す」ために、当たり前に繰り返している家事に「これって本当にしなくちゃいけない?」「この方法がベストかな?」と、意識を向けることから始めましょう。家事はマンネリ化しがち。以前は必須だったけど今は不要なことって、けっこうあるのです。私はダニアレルギーをもつ子どものために吸引力のある重い掃除機を長年使っていましたが、そういえばもう中学生で症状は治っていたんだった!と気づき、軽いコードレスタイプに変更。同時に掃除機をかける回数も減らしてラクになりました。
また、お箸やハブラシ、下着やタオルなどの替え時を見失いがちなアイテムは、新調するタイミングを設定するのがおすすめ。お箸は年初め、ハブラシは月初め、下着は秋の衣替えの時などと決めて自動的にアップデートさせれば、さっぱり気持ちよくモノが循環します。家庭によって使用頻度は違うと思いますので、我が家なりのタイミングを見つけてください。

自分に合った我が家のやり方でいい!

「靴下を干す時にピンチで留める部分は、つま先? かかと?」 もちろん、これにも正解はありません。「掃除機は週に何回かけるべき?」「お風呂を洗うのは夜と朝のどっちがいい?」「食器フキンは煮沸する?」なども同様です。納得できるやり方を自分で決める、あるいはパートナーや家族と相談して決めるしかないのです。なんとなくこうしている...ではなく、私はこうすることに決めたんだ!と意識することが大切です。
洗濯物をたたむのが苦手だから、たたまずハンガー収納にする! 時短のため、床掃除は掃除ロボットに任せる! このように自分のやり方をしっかり決めることでモヤモヤ感は消え、自ずと自信のもてる私らしい家事、私らしい暮らしが見えてきます。

改めて読み返したい! 家庭科の教科書

余談になりますが、私たちは学校の家庭科で、家事を中心とした暮らしまわりのことを習っています。確か家庭科は高校でも必修です。数学や英語などに混じって異色の必修科目ですが、やはりそれだけ欠かせないものとして扱われている証拠だと思います。
学生当時はあまり興味をもてず、自分にはまだ関係ない話だと思って授業を適当に聞き流して(あるいは居眠りして)いたのは私だけではないはず...ですよね。でも改めて今、子どもの家庭科の教科書や資料集を読んでみると、その内容の濃さに驚きます。望ましい洗濯や掃除の仕方や調理法などは知っておくと便利ですし、その他にも暮らしに役立つことがぎっしり詰まっていますので、機会があればぜひ読んでみてください。

撮影・文/石野祐子(Forest inc.

フリーランスエディター・ライター。家事セラピストユニット「いえはな」主宰。海外ウエディング誌、女性情報誌、ファッション誌、インテリア誌などの編集を経てフリーに。料理やインテリア、育児、健康など、女性の暮らしにまつわるジャンルにて執筆。また、文筆家&生活哲学家・辰巳渚主宰の『家事塾』にて学び、1級家事セラピストの資格を取得。2016年より自宅教室「いえはな」を主宰し、すっきり暮らす片づけの考え方や、日々の家事をラクに気持ちよく回すための秘訣を伝えている。

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