Brillia くらしのコラム

気持ちのいい暮らしのつくりかた

水煮よりも優秀! 「蒸し大豆」の魅力

「天然のサプリメント」と呼ばれるほど高い栄養パワーを持つ大豆。しっかり食べていますか?
豆腐や豆乳などの大豆製品ももちろんいいのですが、やはり大豆をそのまま食べるのがベストなんだとか。
そして、その豊富な栄養を余すことなくいただけるのが「蒸し大豆」です。

水煮大豆よりも美味しくて、栄養も豊富

8年ほど前、料理研究家の先生と新刊の打ち合わせをしていた時に「これ、食べてみて」と目の前に出されたのが、蒸し大豆でした。「ん? これ、大豆ですか? とっても甘くて栗みたいですね!」と驚きました。水煮大豆と違ってホクホク感もあって、本当に美味しかったんです。
大豆をお湯でぐつぐつ煮ると、大豆の持っている本来のうま味が溶け出してしまうそうです。栄養も同様で、タンパク質や食物繊維、ビタミンやミネラルも流出。ところが「蒸す」調理法だと、うま味や甘味、栄養成分も大豆に多く残ると言われています。同じ大豆を食べるなら、蒸して食べたほうが断然おトク!ということで、私は大豆は蒸して食べることにしています。水煮と比べてさほど手間もかかりませんので、おすすめです。

作るときは一度にドーンと蒸すのがおすすめ

蒸し大豆を作る時、私はいつも500gの豆を水で戻して蒸しています(4人家族です)。一度にそんなにたくさん作って大丈夫!?と思われるかもしれませんが、案外あっさり食べられるものですよ。それに、ちょこちょこ蒸すのは手間がかかって面倒ですし。
大豆をサッと水で洗ってたっぷりの水にひと晩浸け、蒸し器で柔かくなるまで1時間ほど蒸したら出来上がりです。私は蒸籠(せいろ)を使っていますが、蒸し器がない場合は深いお鍋の中にプラスチック製以外の小ぶりのザルや足付きの網などを置いて水を注ぎ、その上に水気を切った大豆を入れたザルをのせて蒸せばOK。この時、大豆が水に直接触れないよう気をつけましょう。また、蒸している途中にお鍋の水がなくなっていないか、時々チェックを。
蒸し上がってフタを開けると、ふわ〜っとした蒸気とともにツヤツヤの大豆がお目見え。ほっこり幸せな気分にもなれます。

料理にちょこちょこ使えて栄養もプラス!

レーズンなどのドライフルーツと刻んだ野菜、蒸し大豆を、ヨーグルトとマヨネーズなどでサッと和えたビーンズサラダ(写真上)や、豚肉と野菜を炒めてトマトソースなどで煮込んで味を調え、最後に蒸し大豆を加えたポークビーンズ(写真下)など、蒸し上がった大豆はいろんな料理に活用できます。うま味も甘味もしっかりあるので、料理の味に深みも生まれますよ。
そのままスープやお味噌汁、カレーの仕上げに投入したり、軽くマッシュしてハンバーグやポテトサラダに加えても。大豆はクセのない味なので、いつもの料理に加えるだけの手軽さで、栄養もプラスできるのがうれしいですね。蒸した大豆は冷蔵庫で4〜5日程度持ちますし、冷凍保存してもいいと思います。

絶品!「蒸し大豆のメープルシロップ漬け」

ぜひトライしてほしいのが、写真のメープルシロップ漬けです。蒸した大豆を保存容器に入れてシロップをヒタヒタに注ぐだけ。よく混ぜてスプーンですくって食べると、まるでデザートのように美味しいのです! ついパクパク食べ続けてしまうのですが、大豆なのでまぁ安心かな...と(笑)。
蒸し大豆が余っても、このようにシロップに漬けたり塩麹で和えたり、ビネガーを加えたオリーブオイルに漬けるなど、ひと手間加えると保存食にもなります。小腹が空いた時につまめるおやつとして、そのままテーブルに出せる一品として活躍してくれますよ。
大豆を水で戻して蒸すのが面倒...と思いがちですが、ちょっと自分を励まして(←ここが大事!)手を動かしてみると、こんなに豊かな食卓が待っています。良質の植物性タンパク質が豊富な「畑の肉」大豆、積極的に食べるようにしたいですね。

撮影・文/石野祐子(Forest inc.

フリーランスエディター・ライター。家事セラピストユニット「いえはな」主宰。海外ウエディング誌、女性情報誌、ファッション誌、インテリア誌などの編集を経てフリーに。料理やインテリア、育児、健康など、女性の暮らしにまつわるジャンルにて執筆。また、文筆家&生活哲学家・辰巳渚主宰の『家事塾』にて学び、1級家事セラピストの資格を取得。2016年より自宅教室「いえはな」を主宰し、すっきり暮らす片づけの考え方や、日々の家事をラクに気持ちよく回すための秘訣を伝えている。

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