Brillia くらしのコラム

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美容と健康に効果抜群! 切り干し大根

外出自粛時や忙しくて買い物に行けなかった時などに、あると助かるのが、買い置きしていた乾物たち。
なかでも切り干し大根は、煮物にはもちろん、汁物や炒め物、サラダにも使えてとても便利です。
地味な見た目とは裏腹に栄養たっぷりで、美容にもいいんですよ!

干すことで水分が抜け、栄養が凝縮される

干し椎茸やひじき、春雨やお麩などの乾物たち、災害時は非常食にもなるので常備しています。なかでも私が多めに買い置きしているのは、切り干し大根です。生の大根とはまた違った美味しさがあり、値段も手頃。そして何よりもうれしいのは栄養価の高さです。
切り干し大根はその名の通り、切った大根を天日に干したもの。干すことで水分が抜け、大根がもつ良質な栄養分が凝縮されます。最新の日本食品標準成分表で「生の大根」と「切り干し大根」の成分値を比べると、どの栄養素も切り干しのほうが生よりも多く、骨や歯を丈夫にするカルシウムは約21倍、貧血予防になる鉄分は約16倍、代謝を促進し、疲労回復や肌荒れにも効果的なビタミンB1、B2はそれぞれ約18倍と20倍。さらに、むくみを改善するカリウムは約15倍、動脈硬化予防や便秘改善、美肌にも効く食物繊維は約21倍も! つまり、切り干しを少量食べるだけで効率的に栄養がとれるんです。

水で戻さないほうが美味しく、栄養もとれる

切り干し大根と聞くと煮物を思い浮かべがちですが、手早く簡単にできる料理はいろいろあります。私がよく作る超簡単レシピをいくつかご紹介しますね。切り干しはあらかじめハサミで食べやすい長さに切ってから使うとラクです。
まずはお馴染みの「はりはり漬け」ですが、保存容器に切り干しを40g入れ、水100mlと酢大さじ1、しょうゆ大さじ1/2を加えて混ぜ、フタをして冷蔵庫で寝かせれば完成です。余裕があれば2時間、時間がない時は30分ほど待って食べましょう。水で戻さずに使うのは、栄養を水に流出させないため。それに、このほうがうま味も逃さず美味しいです。プレーンヨーグルトで戻すのもおすすめで、保存容器に切り干しを入れ、浸かる程度にヨーグルトを加えて混ぜ、フタをして冷蔵庫で5〜8時間。ヨーグルトの酸味と切り干しの甘味がほどよく混じり合って食べやすく、乳酸菌と食物繊維の相乗効果で腸内環境の改善も期待できます。

甘味やうま味があるのでダイエットにも◎

切り干しはクセが少なく、生でも火を通しても美味しく食べられます。私がよく作るサラダは、ヒタヒタの水で戻した切り干しの水気を軽く切り、食べやすく切った水菜と混ぜ合わせ、オリーブオイルとポン酢を少量ずつかけたもの。このサラダ、子どもたちも大好きでアッという間になくなります。
もうひとつ、我が家の人気メニューは「卵とじ」です。切り干しをボウルに入れてヒタヒタの水で戻し、切り干しが水をしっかり吸い込んだところに(戻した水はもちろん捨てずに)卵を加えてよく混ぜ、熱して油を引いたフライパンに流し入れて卵とじに。お皿に移してかつお節をのせ、しょうゆをちょこっと垂らして完成です。青ねぎやしらすを加えるのもおすすめです。
切り干しは干すと甘味やうま味、風味も増すので、調味料を多く使わなくても美味しく仕上がります。歯応えもあって、噛むほどにうま味が感じられるので満腹感も得やすく、ダイエットにも向いています。

大根が余ったら、自家製切り干しを作ろう!

じつは切り干し大根は、お好みの厚さや形に切ってザルに広げて干すだけで作れます。私は写真のような千切りにしましたが、短冊切りや半月切り、ピーラーで幅広に切ってもOKです。切り方で味わいも変わるので楽しいですよ。なるべく重ならないように並べて風通しのいい場所に置き、長期保存するならばカラカラになるまで干します。半干し(セミドライ)の状態で食べても、それはそれで美味しいですよ。写真の千切りの場合は、春先なら2日程度で半干しに、5日もあれば完干しになると思います。雨に濡れないようにだけ気をつければ、夜も干しっ放しで大丈夫です。半干しは冷蔵で3〜4日、完干しは常温で1年ほど保存できますが、早めに食べましょう。
あと一品何か欲しいなと思った時や便秘かな?と感じた時は、迷わず切り干し大根。私はそのままポリポリ食べることもあります(笑)。そして食べた効果も(つまりお通じも)、ほぼ毎回実感できています。

撮影・文/石野祐子(Forest inc.

フリーランスエディター・ライター。家事セラピストユニット「いえはな」主宰。海外ウエディング誌、女性情報誌、ファッション誌、インテリア誌などの編集を経てフリーに。料理やインテリア、育児、健康など、女性の暮らしにまつわるジャンルにて執筆。また、文筆家&生活哲学家・辰巳渚主宰の『家事塾』にて学び、1級家事セラピストの資格を取得。2016年より自宅教室「いえはな」を主宰し、すっきり暮らす片づけの考え方や、日々の家事をラクに気持ちよく回すための秘訣を伝えている。

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